ブルース・アッシュビー

同盟軍史上最も勇名を馳せた提督。その巧みな艦隊運用と戦術によって数々の戦場で帝国軍を撃破し、その中でも第2次ティアマト会戦では自軍に倍する帝国軍(艦艇56,000隻)に完勝。この際に帝国軍は莫大な兵力と多くの優秀な将校を失い、損失を補うためにその後10年の歳月が必要になったと言われている。

戦局が同盟軍に傾いてからの出来事を帝国では「軍務省にとって涙すべき40分」と呼んでおり、この敗戦が帝国軍にとってどれだけ屈辱的なものだったかを物語っている。

歴史における功罪

その存在は同盟の歴代提督の中でも傑出しており、ヤンは「歴代の同盟軍の中でブルース・アッシュビーと比肩し得る提督はリンパオ、ユースフトパロウルの二人しかいない」と評価していた。

その評価からも分かるように同盟の歴史においても極めて重要な人物であったが、その一方でアッシュビーの参謀長であったアルフレッド・ローザスは「その戦果が同盟の歴史を変えることは無かった」とも語られている。

これは数々の戦いで勝利したアッシュビーであったが、その勝利はあくまでも局地戦での成果に過ぎずそれが同盟と帝国の力関係を変えたわけでは無かったという事を意味している。

実際アッシュビーは帝国がイゼルローンに要塞を建設する以前に似たような構想を持っていたが、結局は艦隊の戦力を増強させることを優先させて要塞の建設案は放棄した。結果としてイゼルローンには帝国の要塞が建設され、橋頭堡(きょうとうほ)となる場所に要塞基地を確立した帝国はその後戦略的に同盟に対して優位に立つことが出来た。

イゼルローンに帝国の要塞が建設された責任がアッシュビーに帰するというわけではないが、少なくともアッシュビーが要塞建設を推し進めていればその後の戦局に対して大きな影響を与えたのは間違いない。

帝国との繋がり

アッシュビーの奇抜な用兵はたびたび他の司令官から批判を受けることがあった。根拠の無い予想をもとに艦隊を大胆に移動したり、作戦を立案したりすることが批判の的になっていたが、不思議なことにアッシュビーのこういった行動はことごとく功を奏していた。

この不可解な用兵を支えていたのは実は帝国軍内部から軍事情報を得いていたからだと話すのがクリストフ・フォン・ケーフェンヒラー大佐だ。彼は第2次ティアマト会戦で同盟の捕虜となったのだが、それ以前のある事をきっかけに帝国軍内部に秘密の地下組織がある可能性に気付く。

捕虜となった収容先で資料を集めその地下組織がアッシュビーと繋がっているとの仮説を立てた。最もこの仮説は状況証拠と推論のみによって構成されており具体的な証拠が皆無であるため、説として根拠を持つためにはより多くの証拠が必要になる(ヤン談)。

人物ステータス

ビュコック 人物ステータス

  • ● 白兵戦
  • 7点。同盟軍士官学校を主席で卒業している。当然白兵戦においても優秀な成績を修めていただろう、ただし士官学校を卒業してその後異例のスピードで昇進したため前線で白兵戦を経験する機会はほとんど無かったはずだ。

  • ● 統率力
  • 8点。天才的な戦術とその華麗な風貌は生れながらの指導者を思わせた。

  • ● 人望
  • 7点。カリスマ性を持った人物で大衆からは絶大な人気を誇ったが、生来の口の悪さから敵も多かった。士官学校時代からの付き合いである730年マフィアの面々も第2次ティアマト会戦の際はアッシュビーの言動を露骨に嫌悪していた。

  • ● 決断力
  • 10点。機を見るに敏。アッシュビーの参謀長であったアルフレッド・ローザスによれば「戦機を計る」のにとても長けた人物だった。

  • ● 分析力
  • 10点。ケーフェンヒラー大佐はアッシュビーの才幹は「玉石混合の中から玉を見つけ出す」ということにあった。帝国軍内部からもたらされる内部情報は全てが使えるものではなく、中には誤報や情報としての鮮度が落ちて意味の無い内容になっているものもある。その中から戦術に生かせるものをピンポイントで見抜いて応用出来た分析力は高く評価できる。

  • ● 権謀術数
  • 7点。軍人として自らの生涯を全うするつもりは無く、第2次ティアマト会戦後は政治家に転身する考えだった。政治という謀略が渦巻く世界でも勝ち残っていける自信があたったのだろう。

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