帝国と同盟の戦争においてその黎明期に登場した人物で、同盟軍史上最も評価の高い提督の一人。その性格は後の名提督ブルース・アッシュビーと酷似しており、女好きの毒舌家だった。一夜をともにした女性の数は4桁にのぼると言われ、同じく好色家だったブルース・アッシュビーと良い勝負だった。
ただしアッシュビーと同様に司令官としての能力は確かで、同盟と帝国の間における初めての(大規模な)軍事衝突となったダゴン星域会戦においては2倍の兵力をほこる帝国軍に対して敵軍の90%以上を撃滅する圧倒的な勝利を収めた。
歴史に対する貢献具合
ダゴン星域会戦での勝利により帝国を見限った多く人間が同盟に亡命する契機となり、その後の同盟の国力を大幅に増加させるものになった。しかしその一方で大敗を喫した帝国では新たに即位したマクシミリアン・ヨーゼフ二世による大幅な改革が行われ、帝国もまた国力を回復させる結果となってしまった。
さらにダゴン星域会戦で勝利を収めたリン・パオとユースフ・トパロウルの二人は元来の性格と巨大すぎる功績が邪魔をして、その後の軍において自らの居場所を失ってしまった。
人物評
ブルース・アシュッビーやヤン・ウェンリーに匹敵する名将と言われているが、当時の帝国軍の将校たちの実力を考えると二人に比べると指揮官としての能力はやや低いと考えられる。
実際、指揮官として決して優秀とは言えないインゴルシュタット中将を相手に一度戦術的な敗北を喫しており、同盟軍が形勢を有利に進められるようになったのは軍務に関しては素人のヘルベルト大公が実戦指揮をとってからだった。
同盟の歴史では鮮やかな勝利だと言われているが、リン・パオとユースフ・トパロウルによれば「お互いにミスをして、相手のほうがミスの度合いが大きかっただけ」だとしている。両名とも謙遜するような人間性でなかったことを考えると、この発言は彼らの本心だったと考えるべきだろう。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
6点。ダゴン星域会戦以前は帝国との間には主だった戦闘はなかった。従ってリン・パオが白兵戦を展開する機会も当然無かった。しかし大食漢という歴史表記を見る限りそれなりの戦闘能力はあったのではないか。
8点。仮にも同盟軍史上最高峰の提督と呼ばれる人物である。統率力に優れていないわけがない。ただしあまりの性格の悪さから他の将兵たちの士気を削いでしまっていた。
3点。ダゴン星域での英雄となりその後元帥に昇進したが、軍内部では孤立し後世からの評価とは裏腹に空しい晩年を送った。ただし女性にはすこぶる人気があった。
8点。ダゴン星域会戦では敵の戦闘能力が侮れないものであることを知ると即座に戦術を変更している。名将らしい即断だと言える。
8点。お互いに情報が少ないなかで相手の艦隊運動を分析して彼らの司令官が素人であることに気付いた。これによってダゴン星域会戦は同盟軍の大勝利に終わった。
4点。ある意味生粋の軍人であり、権力争いをしたり政治の世界に転身するようなことは一切しなかった。