ロイエンタールの反逆後、治安の回復と維持を目的としてハイネセンに赴いたオーベルシュタインが行った策。およそ5000人の政治犯を収容することで、イゼルローン共和政府に要塞を開城するよう迫ろうとした。この時ラインハルトは明言こそしていなかったが、オーベルシュタインの他に三人の上級大将をハイネセンに向かわせており、艦隊決戦によってイゼルローン攻略を行おうとしていた。
オーベルシュタインの策はこういったラインハルトの意思に反するものであり、かつ策謀を嫌う提督たちから強い反発を買った。特にビッテンフェルトの怒りは重く、オーベルシュタインと対談した際は自らの功績を否定されたこともあいまって上官であるオーベルシュタインに掴みかかった。
この行為によってビッテンフェルトは官舎で謹慎を言い渡されその間、黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)の指揮をミュラーがとることになった。しかしこの事態を知った黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)の将兵は激怒しハイネセンは一時大混乱となった。
事態の収拾
オーベルシュタイン旗下の憲兵隊と黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)の下級兵の間で乱闘が起き、最終的には銃器を使用しての睨み合いとなった。しかしこの時、両軍のバリケードの間にワーレンが立ちふさがってお互いを牽制し乱闘を収めた。
しかしこの直後、政治犯が収容されていたラグプール刑務所で暴動が発生。鎮圧に急行した憲兵隊と黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)の部隊が再び衝突しそうになった。しかしこの時もオーベルシュタインの副官シュナイダーが急行し両軍をなだめることで乱闘には至らなかった。
数日後、ラインハルトが自らハイネセンに赴いたことで事態は完全な終結を見た。
オーベルシュタインの真意
当初オーベルシュタインは提督たちに「軍事行動によって数100万将兵が死ぬよりも、1万人足らずの政治犯の命でイゼルローン攻略がなるほうが良い」と説明していたが、実際はビッテンフェルトの暴行やラグプール刑務所での暴動が起きたためオーベルシュタインの当初の目論見は崩れた。
しかしビッテンフェルトへの執拗とも取れる挑発行為やラグプール刑務所での暴動が入手ルート不明の銃器を用いて行われたことを考えると、これらは全てオーベルシュタインによってあらかじめ画策されたものだった可能性がある(地球教が行動すると予期していたという意味で)。
この後のラインハルトの行動により、旧同盟市民はラインハルトに対して好意的な姿勢を示すようになった。