同盟と帝国を結ぶ回廊内に位置しておりその地理的な特性上、同盟と帝国の両方に対し交易を行い経済的に莫大な利益を得ている。もともとは帝国の辺境宙域でしかなかったフェザーンだったが、地球出身の商人レオポルド・ラープが多額の資金工作を行った末に自治領として独立することに成功した。
法律的には帝国内の領土であるには変わりなかったが、実際の政治体制は自治領主による自由な裁量が許されていた。四代目の自治領主ワレンコフまでは帝国の意向を無視したような強引な政策は行わなかったが、ルビンスキーが五代目の自治領主の座につくと帝国の立場とは一線を画す政治を行うようになった。
レオポルド・ラープが初代自治領主となって以来、五代目のアドリアン・ルビンスキーの時代までフェザーン自治領は存続した。しかし帝国のラグナロック作戦により帝国軍のフェザーン回廊への侵入を許し、自由惑星同盟よりも早い段階で滅亡してしまった。
フェザーンに関わりの深い人物
- アドリアン・ルビンスキー
- ルパート・ケッセルリンク
- ニコラス・ボルテック
- ドミニク・サン・ピエール
- ヘンスロー
- ヨッフェン・フォン・レムシャイド
先代の自治領主ワレンコフを暗殺して五代目自治領主となった。狡猾な男だったがラインハルトの策を見抜けずフェザーンの滅亡を招いてしまう。
ボルテックの後任として自治領主の補佐官を務めた。実はルビンスキーの息子で復讐の機会を狙っていた。
当初ルビンスキーの補佐官だったが、ラインハルトの動向を監視するために帝国の高等弁務官となる。しかし途中でラインハルトの側に寝返り自らフェザーン侵攻に協力した。
ルビンスキーの愛人。フェザーン滅亡後もルビンスキーとの関係は続いていた。
同盟がフェザーンに派遣している高等弁務官。あまり有能な人間ではなく、ルビンスキーやケッセルリンクに言いようにあしらわれていた。
帝国の高等弁務官。ヘンスローよりは有能だったが、結果としてルビンスキーに利用されてしまった。
フェザーンと地球教の関わり
公にはされていなかったが、フェザーンと地球教には昔から深い関わりがあった。そもそも初代自治領主としてフェザーンの自治権を獲得したレオポルド・ラープは地球出身者で、自治権を獲得するために投じた工作資金の出所は地球教によるものだった。
そのため作中では自治領主である地球教の司教がルビンスキーのもとを訪れており、ルビンスキーの態度を見てもフェザーンが地球教に従属的な立場を取っていることがうかがえる。
ただしルビンスキー自身は本心から地球教に従属しているつもりはなく、用済みになれば切り捨ているつもりだった。