ローエングラム王朝の提督の一人でクナップシュタインと並んで将来「帝国の双璧」となることを見込まれていた。クナップシュタインが生粋の軍人であったのに対し、グリルパルツァーは学問にも秀でており中でも地理学者としての業績によって帝国地理博物協会への入会を果たした。このため探検家提督の異名を獲得している。
軍人でありながら多方面に渡りその才覚を発揮する姿勢はメックリンガーと重なる部分があり、同年代であったバイエルラインはミッターマイヤーから、メックリンガーとは言わないまでもグリルパルツァーを見習って軍事以外の分野にも精通するように言われている。
ただしこれは当時ラインハルトが柄にもなく頻繁に主要提督を連れて芸術鑑賞をしていたため、同行したくないミッターマイヤーが部下であるバイエルラインを身代りにしようと意図した発言だった。
名誉失墜
軍務と学問の両面で活躍していたグリルパルツァーだったが、それと同時に人一倍出世欲の強い人物だった。そのためイゼルローン回廊の戦いが終結し戦乱の世が収束しつつある状況に不安を感じていた。
戦乱が終われば軍人は武勲を立てる機会を失い、また帝国軍の上層部はミッターマイヤーやミュラーを筆頭に若年の人物が多かったため世代交代で彼らの地位が自分に回ってくるのはかなり先の話しだった。こうした事態に直面したグリルパルツァーはロイエンタール反逆の際、目立った武勲をあげるため戦闘中にロイエンタールを裏切ることによって大きな戦果を挙げようとした。
しかし結果としてこの考えは裏目となり、ラインハルトやミッターマイヤーを始めとする多くの人物の反感を買うことになる。さらにウルヴァシーで発生した皇帝襲撃事件について調査したメックリンガーは、自身の前に事件を調査したグリルパルツァーが事件の真相を突き止めながらそれを隠ぺいした事実を明らかにした。
これによりグリルパルツァーはロイエンタール反逆の原因を作った人物となってしまい、階級を剥奪されたうえで除隊と自裁を命じられた。
人物評
メックリンガーが彼に向かって放った「晩節を汚した」という言葉がぴったりの人物。軍務ではクナップシュタインと並び将来を嘱望された身で、かつ軍務以外にも精通していた稀有な人物だった。しかし目先の利益に捕らわれたが故に判断を誤り裏切り者の汚名を後世に残すことになってしまった。
またメックリンガーは自分と似た気質を持つグリルパルツァーに対してより高く評価していたようだが「鼠は獅子の友と成り得なかったか」としてグリルパルツァーの器の小ささを嘆いていた。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
6点。クナップシュタインとは異なり頭脳派の人物だったため白兵戦は得意としていなさそうだが、優秀な軍人と評されていたことを考えるとそれなりの心得はあるのではないか。
6点。帝国軍の大将となるだけのことはあり、それなりの艦隊運用の技術を持っていた。
3点。ロイエンタール反逆事件の前までは帝国内から尊敬を集めていたがその後一変してしまった。
3点。あらかじめロイエンタールに対する裏切りを決めていたにも関わらず、それを実行する機会を失い結果として最悪のタイミングで反旗を翻すことになってしまった。
5点。裏切り行為によって立てた功績をラインハルトが評価するはずがないことに気付いていなかった。決して分析力の乏しい人物ではないはずだが、欲望に目が眩んでしまうタイプだった。
3点。謀略を巡らせて自らの出世をはかったが全て裏目に出てしまった。