自由惑星同盟の提督の一人で同盟軍首脳部における数少ないヤンの理解者でもあった。士官学校を出ておらず二等兵から軍歴を重ね大将まで昇進した人物で、第二次ティアマト会戦では同盟軍史上最高の名将と謳われたブルース・アッシュビー提督のもと砲術下士官として参戦している。
長年下級兵士として戦場の最前線に立ってきたため、兵士たちからの評判は高いが一方で士官学校を卒業した一部の司令官からは受けが良くなかった。そのため実績や能力こそ評価されていたが、宇宙艦隊司令長官のような要職につく機会はなく(バーラトの和約後に就任したが)また作戦の立案に関しても関わることがあまり無かった。
マル・アデッタ星域会戦とイゼルローンの再奪取
ビュコックがマル・アデッタ星域会戦でラインハルト率いる帝国軍と交戦している際、ハイネセンから脱出したヤン艦隊はイゼルローンを奇襲しその再奪取に成功した。この事により一時帝国軍内では「マル・アデッタ星域での戦いは陽動ではないか?」との指摘が出たが、これは偶然に機が重なっただけだった。
ビュコックの死を悲しんだヤンは「ハイネセンを脱出する際に強引にでも連れてくるべきだった」と発言しており、その死に対して一種の責任感を感じていた。
人物評
数多の戦場を経験してきた歴戦の勇将らしく如何なる状況においても冷静に状況を観察し誤った判断をすることが無かった。老齢で思考が硬直するようなこともなく、むしろ兵力的に絶望的な差があったマル・アデッタ星域会戦では地形や気候を利用した奇抜な作戦で帝国軍に損害を与えた。
マル・アデッタ星域会戦で相対したラインハルトはその後、自らの信念を最後まで貫いたビュコックのことを「聖水」と評し、また軍事面における才能にも認めていた。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
2点。二等兵から戦歴をスタートしたという事は幾つかの白兵戦も経験しているだろう。ただし作中登場時点では既に老人で最期のほうは杖をつかなければ歩くことも困難になっていた。
8点。戦局的に不利な場面で戦うことが多かったが、その中で最大限の戦果を挙げるべく適切な艦隊運用を行っていた。
9点。一部の上級将校たちから疎まれていたとはいえ、それはビュコックの経歴によるもの(要はひがみ)であって彼の人柄によるものではない。その卓越した人柄は多くの人から親しまれ尊敬されていた。
7点。多くの経験を積んでいる分、重要な場面で判断を誤ることがない。アムリッツァ前哨戦ではヤンの考えに同意しいち早く撤退を開始したため、他の艦隊が大きな犠牲を出すなかで、ビュコックの艦隊だけが損害を出さずにアムリッツァ星域会戦に臨むことが出来た。
7点。戦局全体を見極める力があったかどうかは定かではないが、戦術レベルの分析力は備わっていた。
4点。策謀とは程遠い人だった。ヤンから帝国との捕虜交換をきっかけに同盟内部でクーデターが起こる危険性を指摘されていながら犯人を特定することが出来なかった。