ローエングラム王朝における初代工部尚書。作中では帝都建設を担当しており建築の専門家としての一面を見せているが、彼の才能は建築に留まらず政治全般に及んでいた。順調過ぎる工事計画を揶揄した建設業者が「帝都が完成してしまえば我々の仕事がなくなってしまう」と冗談交じりに話すと「その時は帝国宰相でもやる」と大胆な野望を語り周囲を唖然とさせていた。
内政面における彼の貢献度は非常に高く、その能力と功績は帝国三長官に匹敵するものだった。そのためローエングラム王朝の国政が安定期に入った際には先の発言通りシルヴァーベルヒが宰相職に就く可能性は少なくなかった。
しかし帝都建設中に行われたワーレンとルッツの歓送迎会の際に地球教の仕業と思われる爆弾テロが発生。ワーレンとルッツは一命を取り留めたが、シルヴァーベルヒは重傷を負いそのまま帰らぬ人となった。
シルヴァーベルヒと帝国の内政
成立して間もないローエングラム王朝は政治システムが万全ではなく、そのため個人の資質に頼るところが大きかった。そのためシルヴァーベルヒのような天才肌の内政専門家は不可欠な要因だった。特にローエングラム王朝は軍事面においての人材は豊富だったが、内政面における人材に乏しくシルヴァーベルヒの死後は政務の大半を皇帝であるラインハルト自身が行わなければならなかった。
人物評
作中における登場回数が少ない人物であったが、才能豊かな人間であったことは間違いない。シルヴァーベルヒの仕事の迅速さは類を見ないほどで、ある時副官のグルックが代わりを務めた時はわずか数日で政務の大半を滞らせてしまった。
グルック自身も決して無能な人物でないことを考えるとシルヴァーベルヒがどれほど優秀な人物だったのかが分かる。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
3点。貴族出身の技術官僚であることを考えると戦場に出たことすらないのではないか。
8点。類まれな統率力を発揮して信じがたいほどの速度で帝都建設を推し進めていた。その速さは携わっていた建設業者でさえ驚き不安がるほどだった。
8点。生前は多くの人が彼の周りにいた。そして死後は多くの人にその才覚を惜しまれることになった。
8点。決断力に優れていなければあれほど手際よく作業を進められないだろう。
8点。帝国の内政状況を性格に把握しており、帝都建設後も自分の役割が充分に残っていることを理解していた。
7点。貴族出身であったにも関わらずリップシュタット戦役後に処罰を免れたばかりでなく、帝都建設を任されるほどの職に就いている。上手いこと立ち回ったのだろう。