ゴールデンバウム王朝期には内務省社会秩序維持局長官を務めた人物。旧体制の秩序を守るために暗躍する組織の長だったため、ラインハルトが実権を握ってからしばらくは謹慎の身に処せられていた。しかしローエングラム体制が成立して間もないこともあり、社会の秩序を安定させる必要があると考えたオーベルシュタインによって登用され、今度は内務省内国安全保障局長と職名を変えて職務を遂行することになった。
名前を変えただけでその中身はゴールデンバウム時代と同じく秘密警察としての役割を担っており、社会秩序のために暗躍していた。ラインハルトもその存在と行動を嫌ってはいたが、やはりオーベルシュタインと同様必要性を感じていたのかその活動を黙認していた。
公人としては残忍かつ自らの栄達のためには手段を択ばない人間だったが、私人としては家庭を大事にする優しい人物でラングが処刑される事が決まった時、憲兵総監であったケスラーのもとへ夫人が助命を懇願していた。
内務省内国安全保障局とは
いわゆる秘密警察で政治犯の取り締まりを行う。ゴールデンバウム王朝と違いローエングラム王朝では言論の自由が保障されているため「皇帝への侮辱」などで秘密警察に捕えられることは無いが、ルビンスキーのような帝国の内乱を企むような人物を取り締まることを主な任務にしている。
その職務は一部で憲兵隊と重なる所がある。
人物評
公人と私人において正反対の人格を備えていたラングは銀河英雄伝説をよく表した人物だったと言える。彼とは逆にロイエンタールは公人としては数々の武勲を立てた優秀な軍人だったが、プライベートでは多くの女性と一夜を過ごすだけと褒められたものではなかった。
能力的に言えばオーベルシュタインに登用された事を考えると、秘密警察の長としてそれ相応の才覚があったと考えられる。しかしルビンスキーも言うように小人であることは否めず、自らの大きすぎる欲望のせいで身を滅ぼすことになった。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
2点。戦場に立って戦う人物ではなかった。加えて肥満体系であることを考えると戦闘能力は高いはずがない。
6点。ゴールデンバウム王朝時代から一組織の長としてその辣腕を振るってきた人物。そのやり方は褒められたものではないが、組織を統率する能力はそれなりに備わっていた。
3点。ロイエンタールやミッターマイヤーといった帝国軍の諸将からは忌み嫌われていた。一方で家庭内では善良な人間であったため、彼の人望は付き合う人間の立場によって大きく変わったと言えるだろう。
6点。身の転身は早かった。使えていたゴールデンバウム王朝に対する忠誠を見せる事もなく、オーベルシュタインに呼び出された際は直ぐに職務の遂行を引き受けた。
4点。自らはルビンスキーを利用しているつもりだったが、その実利用されているに過ぎなかった。
7点。秘密警察の長なのだから権謀術数には長けていただろう。ロイエンタールが反逆に追い込まれたのもラングの裏工作による所が大きかった。