アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト

ローエングラム王朝における主要な提督だが、ラインハルトの旗下に入ったのは他の提督たちよりも大分遅くリップシュタット戦役後である。それにも関わらず、他の主要な提督たちと同列に扱われた。

またローエングラム王朝成立以前のアスターテ会戦ではラインハルトの配下に配属されている。この際、自軍に3倍する同盟軍に対して他の提督たちと同様に撤退するよう具申したが、ラインハルトの作戦を聞いて具申を取り下げることになる。

この時他の提督たちは自分たちの具申が入れられなかった事と、ラインハルトの作戦案に対して不満を抱いていたがファーレンハイトは唯一作戦案に対して肯定的な見方をしていた。この光景を脇で見ていたキルヒアイスはファーレンハイトの艦隊を先鋒として使うことを具申し、ラインハルトもこれに同意した。

この時のファーレンハイトの活躍振りはラインハルトの眼鏡に叶うもので、リップシュタット戦役終戦後にファーレンハイトが捕虜となった際は自らの部下となるよう打診。これに応じたファーレンハイトを敵将だったにも関わらず、その場で上級大将の列に加えた。

主な功績

ローエングラム王朝成立以前はアスターテ会戦やリップシュタット戦役で活躍していたが、ラインハルトの傘下に加わってからは華々しい戦果を挙げることは無かった。

ローエングラム王朝の提督としてファーレンハイトが最も活躍したのは彼が戦死する事になったイゼルローン回廊の戦いだった。この時はビッテンフェルトとともに主力であるラインハルトの艦隊の到着を待っていたのだが、ヤン・ウェンリーの誘いに乗ったビッテンフェルトの艦隊が包囲されてしまい、友軍の危機を見過ごすわけに行かず渋々救援に向かった。

しかしヤン・ウェンリーはこの動きも予測しており、救援に来たファーレンハイト艦隊に対して激しい砲火を浴びせた。ビッテンフェルト艦隊を守りつつ後退していたファーレンハイトだったが、旗艦に砲火が集中し遂に着弾。

帝国軍の上級大将として初めて戦死する事になった。この時にファーレンハイト艦隊に猛攻を加えたのがリップシュタット戦役で共に戦ったメルカッツだった。その時はお互いに敗残の将となりラインハルトに降ったファーレンハイトと、ラインハルトの陣門に降るのを良しとせず同盟に亡命したメルカッツだったが、思わぬ形で再開することとなってしまった。

敵の艦隊がメルカッツのものだと知ったファーレンハイトは、メルカッツのような名将の手にかかるのならば本懐だとしてこれを受け入れた。メルカッツもかつての戦友を討ったことを意識しており、その後短い間ではあったが喪に服していた。

人物評

ゴールデンバウム王朝時代は「扱いにくい将校」として厄介な目で見られていた。しかしその実優秀な軍人でありさらには幅広い視点で物事を見通す戦略眼も備えていた。リップシュタット戦役後に敗残の将としてラインハルトの前に立った時、ラインハルトからは「ブランデンシュバイク公についたのは兄らしく無い判断だったな」として暗にその洞察力を評価されていた。

人物ステータス

ファーレンハイト 人物ステータス

  • ● 白兵戦
  • 7点。ビッテンフェルトと同じく攻撃を得意とした提督だったことを考えると、彼のように白兵戦にも優れていたのではないか。ただしファーレンハイトの戦闘能力が垣間見れるシーンが皆無なため真偽のほどは不明。

  • ● 統率力
  • 8点。ファーレンハイトの艦隊運用能力の高さはアスターテ会戦で証明されている。また最後の戦場となったイゼルローン回廊での戦闘も劣勢な中で粘り強く戦線を維持していた。

  • ● 人望
  • 6点。能力があったにも関わらず、生来の性格からゴールデンバウム王朝下の帝国軍では厄介者扱いされていた。しかしメルカッツやラインハルトなどの優秀な人物からは高い評価を得ていた。

  • ● 決断力
  • 8点。リップシュタット戦役では待ち伏せするラインハルトの艦隊から逃れるために、敢えて他の艦隊の進行ルートからは外れたコースを選択した。冷静ン分析力があってこそだが、それと同時に決断力が伴わないと出来ないことだ。しかしリップシュタット戦役でブランデンシュバイク公の側に付いたことは誤った判断だった。

  • ● 分析力
  • 8点。レンネンカンプやビッテンフェルトのような戦術的な視点しか持ち合わせていないような人物とは違い、ロイエンタールのような幅広い戦略的な視点を持ち合わせていた。

  • ● 権謀術数
  • 6点。ファーレンハイトの才能は一軍人に留まらない部分があるので、策謀面においてもそれなりの能力は持っていた可能性が高い。

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