ラインハルトが航海長として赴任した駆逐艦ハーメルンIIの艦長。門閥貴族の一員で男爵家の当主。しかし若い頃には民間船の船長をしており軍隊には途中入隊したため、年齢の割に軍における階級は高くなかった(この時、少佐)。民間船の船長を務めていた時代に色々な人と出会い、様々な経験を積んでいたため貴族としての特権意識は持っていない。
むしろ地位や階級に目を奪われることなくその人を観察することができるため、ラインハルトの能力に関してもわずかな期間ともにいただけで看破していた。
軍事に関しては自らが専門家でないことを自覚しており、そのため部下の能力を最大限活用することを意識している。しかし部下から見るとそういった行為は「自分が楽をするため(アデナウアー自身が貴族だったことも関係している)」だと見られており、当初ラインハルトもアデナウアーのことを無能な人間だと認識していた。
しかし自らが負傷して指揮権を譲渡した後、航海長のラインハルトと副艦長のベルトラムが武力衝突を起こした際は負傷した体を引きずって事態の鎮静化に努めており、このことをきっかけとしてラインハルトはアデナウアーに対する評価を大きく変えた。
ラインハルトに与えた影響
ラインハルトの軍人時代、彼に影響を与えた数少ない人間の一人だった。当初ラインハルトは自らの能力の高さ故、部下に対して必要以上に指示をする傾向にあったが、この光景を見たアデナウアーは「部下に任せる」ことの重要性を教えた。
指摘された時ラインハルトはその考えに反発していたが、その後考えを改めてアデナウアーの言葉を意識するようになった。この「部下に任せる」という考えはラインハルトが多くの部下を率いる立場になった時に見受けられ、アデナウアーに言われたことで意識が変わった様子がうかがえる。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
3点。もともとが民間船の船長であったことを考えると、白兵戦をする機会や訓練を受けたことはほとんど皆無だったろう。
7点。部下の能力を見極めたうえで任せることに長けている。強力なカリスマ性を持っているわけではないが、部下を統率するツボを押さえている。
6点。貴族出身であり、かつ上記のように仕事を部下に任せるタイプの人間だったため「無能な貴族の上官」と勘違いされることが多かった。ラインハルトも当初そういった思いで見ていたが、その本質を知ると見方を一変した。
7点。冷静な分析力に基づいて正しい決断ができる。ラインハルトとベルトラムが争った時も、階級では劣るラインハルトのほうを支持した。
7点。観察力に優れている。会って間もないラインハルトに対して、その能力を見抜き危機的な状況にあった艦の運用を任せた。
4点。男爵家の当主ではあったが、あまり権力に固執しない人間のようだ。そのため地位欲しさに謀略を用いることもなかっただろう。