外伝『奪還者』に登場する人物。極秘任務として亡命したヘルクスハイマーの追跡・捕縛を命じられたラインハルトの監察官として同行することになった。冗談や軽口を叩く性格で初対面のラインハルト(この時、中佐)に対しても馴れ馴れしく話しかけたが、他人嫌いのラインハルトが厳しい口調で対応したためかしこまっていた。
ラインハルトは当初、ベンドリングのことをお目付け役だと考えていたが任務の途中でその不自然さに気付き、ベンドリングが監察官とは別に何らかの指示を受けているのではないかと推察した。
事実ベンドリングはリッテンハイム侯爵から密命を受けており、ヘルクスハイマーが持ち出した機密情報を削除(あるいは奪取)する任務を負っていた。しかしラインハルトの洞察によりそのことを悟られ、さらには自分が削除しようとしていた情報の中身とリッテンハイム侯爵の謀略を知ると、自らの軍務に耐えられなくなった。
そのためラインハルトに頼んで孤児となったマルガレータ(ヘルクスハイマーの娘)の後見人として同盟へ亡命した。
ラインハルトとの関係
当初は監察官という立場や軽口を叩きまくる性格から、ラインハルトからあまり良く思われていなかった。しかしヘルクスハイマー追跡の際にはその能力の一端を見せたり、捕虜となったマルガレータ嬢に対しても良識ある対応をしていた。
こういった姿勢を見たラインハルトは徐々に評価を変えていき、ベンドリングがマルガレータを連れて亡命する意思を伝えた時は一定の理解を示した。本来、任務を放棄して亡命するということは「敵前逃亡」にも等しく銃殺されても文句の言えない所であり、実際その場に居合わせたワーレンはそのことを追及している。
しかしラインハルトはベンドリングの気持ちを重んじて亡命を許可しただけでなく、残された彼の一族のこを配慮して亡命ではなく「戦闘中に行方不明」と報告した。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
4点。男爵家の三男で統帥本部に所属していた。つまり門閥貴族の家系だったため、前線に出ることなく後方勤務中心の軍隊生活を送っていたのだろう。
5点。艦の統率はラインハルトが指揮権を握っており、自らはその運用に携わることはなかった。
7点。つまらない冗談を言う人間だが根は善人。最終的にはラインハルトの信頼も得ていた。
7点。窮地に立たされたわけではないにも関わらず、自らの信念に大きく反する任務を与えられていたことに失望し亡命を決意している。
7点。計算に秀でており、ラインハルトよりも先にヘルクスハイマーのおおよその航行距離を割り出していた。さらには駐在武官のミュラーが絶妙なタイミングで暗号通信を送ってきた理由についても推察していた。帝国側に残っていれば将来ラインハルトに登用されていただろう。
3点。宮廷での謀略に嫌気がさして亡命を決意した人物。そういったことに長けているはずがない。