フェーザーンの第5代自治領主。本来、自治領とは言っても帝国の支配下にあるフェザーンだったが、ルビンスキーが自治領主に就任して以来フェザーンの経済力と同盟と帝国を結ぶ回廊宙域に存在するという地形的条件を利用して内政の干渉を許さないフェザーン独自の政治路線を形成した。
ルビンスキーの狙いは帝国と同盟が軍事衝突を繰り返すことによる経済的な疲労だった。この経済疲労に付け込む形でフェザーンは多額の貸し付けを行い、最終的には経済の面から帝国と同盟を支配するつもりだった。
そのためどちらか一方が有利になり過ぎないように工夫しており、帝国が大規模な戦闘で勝てば次の戦いでは同盟が勝つように工作しその次は帝国が勝利するよう仕向けた。
しかし物語が進み帝国と同盟の力関係に決定的な差が生じると、従来の均衡を保たせるという戦略には固執せずむしろ帝国に宇宙全土を支配させた後、帝国自体を経済的に包み込んでしまおうとした。
最期
物語の後半からルビンスキーは脳腫瘍を患う事となった。そのため仮名で幾つかの病院で診察を受けていたが、そのことを知ったオーベルシュタインが軍務尚をあげて全宇宙の患者カルテから仮名を用いているものをリストアップするという途方もない作業を敢行。
副官のフェルナーですら根を上げるほど膨大な作業量だったが、遂にルビンスキーを割り出して捕えることに成功した。しかし捕えられた後に収容された病院先で自ら命を絶つと、予め体内に埋め込んであったスイッチが機動し帝国各地に仕掛けてあった爆弾が相次いで爆破された。
これは後に「ルビンスキーの火祭り」と呼ばれるほどの大災害となったが、ラインハルトに被害は無かった。
人物評
帝国からは「フェザーンの黒狐」と呼ばれその強かな手腕を警戒されていた。フェザーン自治領主に就任以来、巧みな権謀術数で宇宙の勢力図を操作していた点は高く評価出来る。しかしラインハルトのラグナロック作戦発動時には思いがけずフェザーンへの侵攻を許してしまい、結果として国を失う事になってしまった。
まさに策士が策に溺れる結果となってしまった。
人物ステータス
- ● 白兵戦
- ● 統率力
- ● 人望
- ● 決断力
- ● 分析力
- ● 権謀術数
4点。策謀を巡らせる人物で自らが戦場に立つことは無かった。
6点。フェザーンの当主として在任中は問題なく国内を統治していた。しかしボルテックを制御することが出来ず、彼の裏切りによって国を失う事になってしまった。
4点。その悪辣な手口や他人を顧みない姿勢は少なからず反発を買っていた。息子であるルパート・ケッセルリンクは並々ならぬ復讐心を持ってルビンスキーに恨みを晴らす機会を探っていた。
8点。自らの策謀を的確に実行する実行力だけでなく、それが最善の策でなくなったときは即座に次の策へ移行する決断力も備えている。
8点。ラインハルトのフェザーン侵攻こそ読み得なかったが、それ以外は高い分析力を示した。特に人物を見抜く目には優れており、ルパート・ケッセルリンクが実は自分に対する復讐を抱いていることにも気が付いていた。
9点。策に溺れることもあったが、優れた策士であったことは疑いない。策士として作中ではオーベルシュタインと並ぶほどの男だったが、二人の違いはその知略を自らのために使うか国家のために使うかという事にあった。