ジークフリード・キルヒアイス

ラインハルトの幼馴染。10歳の時にアンネローゼを皇帝に連れて行かれたラインハルトが幼年学校に入学することを決意し、親友だったキルヒアイスにも一緒に入学することになった。その生涯で友人をほとんど作らなかったラインハルトにとってキルヒアイスはかけがえのない親友であり、キルヒアイスのほうも自らの生涯をラインハルトのために尽くした。

幼年学校入学以前はラインハルトのことを敬称抜きで読んでいたが、それ以降は「ラインハルト様」と呼んでいる。その後ラインハルトが将官になると公の場では「閣下」と呼んでいる。ただし周りに他人がいない時は従来と同じく「ラインハルト様」と呼ぶことが多かった(ラインハルトがそれを望んでいたため)。

覇気の強い天才型であったラインハルトを支える為、日頃から細心の注意を払いながら彼を補佐しており、その献身ぶりはラインハルト自身はもちろん姉のアンネローゼからも深く感謝されていた。特にラインハルトが命を狙われた際は幾度もこれを救っており、リップシュタット戦役終結後には自らを犠牲にしてラインハルトの命を守った。

死後

リップシュタット戦役後に行われた捕虜引見の際、主君の仇を討とうとしたアンスバッハによってラインハルトが襲撃された。これを防ごうとしたキルヒアイスは身を挺してこれを防いだが、自らは凶弾を受けて絶命してしまった。

キルヒアイスの死はラインハルトに多大な衝撃を与えしばらくの間、茫然自失の状態になってしまった。これを見た部下の多くは驚きを隠せず、ミュラーは「あれほど弱い所があるとは思わなかった」と発言している。その後ラインハルトは立ち直りやがて宇宙を征服することになったが、キルヒアイスの死を忘れることはできず色々な場面でそのことを想起させる場面があった。

キルヒアイスの死後ラインハルトは生前に遡って帝国軍三長官の地位を与え、さらにローエングラム王朝が成立すると大公の爵位(ローエングラム王朝下では初めて)が叙せられた。

人物評

敵将ヤン・ウェンリーからは「能力的にもラインハルトの分身」だと評しており、ヴァンフリート4=2でともに陸戦を指揮したリューネブルクからは「ただの副官に留まらない」と思われている。

ラインハルトのような天才型ではなかったが、秀才型で視野が広く戦場においてもラインハルトよりも優れた能力を発揮することがあった。特に感情のコントロールが上手くそのため戦闘における攻守のバランスに優れていたため、バーミリオン会戦直後ヤンと対談したラインハルトは「私の友人(キルヒアイス)が生きていれば、生きた兄ではなく死体の兄と対面することになっただろう」と発言している。

人物ステータス

キルヒアイス 人物ステータス

  • ● 白兵戦
  • 10点。作中でも最強の部類に入る。純粋な肉弾戦だけでなく銃器の扱いにも長けており、その能力で幾度となくラインハルトを窮地から救っている。

  • ● 統率力
  • 10点。ラインハルトのようにカリスマ性で人を率いるのではなく、和を重視して部下を統率することに長けている。当初キルヒアイス旗下に配属されたベルゲングリュンはキルヒアイスに反発していたが、彼の能力と人柄に感嘆してからは忠誠を尽くしていた。

  • ● 人望
  • 10点。キルヒアイスは他の提督と比べ必要以上に重宝される傾向にあったが、オーベルシュタイン以外は誰もそのことに不平を言わなかった。これはキルヒアイスの能力の高さにも由来したが、それ以上に彼の人柄の良さに起因していた。また彼の死後ミッターマイヤーやロイエンタールを始めとする多くの提督が「キルヒアイスが生きていたら」と口にしており、その存在の大きさを痛感していた。

  • ● 決断力
  • 10点。10歳にして自分が見込んだラインハルトに生涯付いていくことを決意した。ラインハルトと違いもともと温和なキルヒアイスが軍人の道を進もうとするのは大変な決意だったはずだ。

  • ● 分析力
  • 10点。艦隊戦において参謀や副官としてラインハルトに付き添っていた時、戦術に関してたびたび質問されることがあったが、ラインハルトの広い視点に立った指摘は常にラインハルトの期待に応えるものだった。

  • ● 権謀術数
  • 7点。キルヒアイスに唯一欠落していた能力だったと言える。ラインハルト以上に清廉潔白な人間だったため自ら謀略を用いることを好まなかった。ただし分析力に優れていたため謀略の存在を見抜くことには長けていた。

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