ヴェスターラントの虐殺

リップシュタット戦役の後期におきた事件。ブラウンシュヴァイク公の領地である惑星ヴェスターラントにおいて民衆反乱が発生。この反乱によってヴェスターラントを直接統治していた甥のシャイド男爵が捕縛、殺害されてしまった。これによってヴェスターラントの民衆は自由を手にしたが、自らの甥を殺されたブラウンシュヴァイク公は激怒しヴェスターラントに対して熱核兵器の使用を行った。

有人惑星に対する核兵器の使用は13日戦争以来の禁忌であり、使用するようなことがあれば民心が離れることが必須であったため側近のアンスバッハ准将は猛烈に反対したが、怒りで冷静さを失ったブラウンシュヴァイク公はこれを聞き入れず核兵器の投下を実施した。

これに対し当初は攻撃を阻止しようとしていたラインハルトだったが、オーベルシュタインの進言により明確な阻止命令を出さなかった。ラインハルトは阻止するか否かをぎりぎりまで思案するつもりでいたが、オーベルシュタインの計略により核兵器の投下を止めることができなかった。

結果として惑星ヴェスターラントに居住していた200万の民間人が犠牲になったが、これによって貴族連合軍は民心を完全に失いリップシュタット戦役の終結は予想よりも早いものとなった。

オーベルシュタインの進言

核兵器による惑星攻撃を阻止しよとしたラインハルトに対しオーベルシュタインは「ブラウンシュヴァイク公が自らの領地に核攻撃を行えば民心を失い、戦争の終結が早まることになる」として攻撃を阻止しないように進言した。

さらにオーベルシュタインが言うにはガイエスブルク要塞にこもる貴族連合軍が最後まで抵抗を続けた場合、その間の両軍の戦死者は少なくとも1,000万人に達する。より多くの犠牲を出さないために、小さな犠牲を容認する必要があるというものだった。

これに対しラインハルトは「人の命は数の多寡で計れるものではない」としたがその場で決断することができず、結果としてオーベルシュタインの進言を受け入れる形となってしまった。

その後の影響

ヴェスターラントの虐殺の件で戦役の終結は早まったが、これはラインハルトに思いがけない事態を招いてしまった。ヴェスターラントの虐殺の真相を知ったキルヒアイスが民間人を犠牲にした決断に対して苦言を呈したのをきっかけにラインハルトとキルヒアイスの仲に亀裂が生じてしまった。

このことがその後のキルヒアイスの死亡に直接影響を与え、ラインハルトはかけがえの無い友人を失う事になってしまった。

ヴェスターラントの虐殺と原爆投下

ヴェスターラントの虐殺は太平洋戦争時における広島・長崎への原爆投下をもとにして作られた話しになっている。この際、原爆投下を行わずに本土上陸を行って日本を降伏させるためには米国軍だけで100万人以上の戦死者が出ると推定されていた。

しかし原爆を投下したことにより日本の早期降伏を実現させることができ、戦死者も広島と長崎を合わせて30万人に収まった(ただしその後、放射能汚染で死亡した人は数に入っていない)。

ヴェスターラントの虐殺はこういった実際の歴史背景と重ねて作られたストーリーになっている。

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