劣悪遺伝子排除法

銀河帝国の創設者ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムによって定められたもので、ルドルフ大帝が作った悪法の中でも最も悪名高い法律。「遺伝子が全てを決する」という思想に基づいたもので、劣勢な遺伝子を排除することで後世に優秀な遺伝子のみを残すことを目的として作られた。

実際に先天的な障害を持って生まれた幼児を安楽死させるなどの処置を行い、ルドルフ大帝の治世にあっては劣悪遺伝子排除法はかなり厳格に適用されていた。しかし皮肉なことにルドルフと王妃の間に生まれた息子が先天的な生涯を持つ男児が生まれ、ルドルフは母子と出産に携わった医師を処刑することになってしまった。

その後、中興の祖と呼ばれたマクシミリアン・ヨーゼフ2世の治世において劣悪遺伝子排除法は事実上、有名無実化されたため先天的な障害を持つ人物が処刑されることはなくなった。

しかし作中の時代においても劣悪遺伝子排除法の慣習は残っており、幼年学校では色盲を持つ者の入学を禁止していた。

劣悪遺伝子排除法の根本的な誤り

劣悪遺伝子排除法は言うまでもなく道徳的には劣悪で人類社会には存在してはならない思想(もしくは法律)ではあるが、それ以前に方法論としてもその有効性に疑問がある。

そもそもヒトは約2万個の遺伝子で形成されており、生物的な形質として現れてくる部分の多くは遺伝子の組み合わせによって出現する。そのため特定の遺伝子がそのまま先天的な障害を生むとは限らず、逆を言えば生涯を持っていない人間同士の子どもが障害を持っている可能性もある。

そういった意味では生涯を持っている人間を排除したところで、人類社会からそういった遺伝子を取り除けるはずはなく劣悪遺伝子排除法では、ルドルフが目指した優秀な遺伝子のみを持つ者の社会は実現不可能である。

また生物進化においては「遺伝子の多様化」こそが基本であり、ルドルフのような遺伝子の種類を制限するような方法ではかえって人類を種として退化させてしまう危険性もある。

劣悪遺伝子排除法をひどく嫌う人々

  • ローエングラム・フォン・ラインハルト
  • 遺伝子の構造は当人には何の関係もなく、それを持って処罰の対象とする劣悪遺伝子排除法を忌み嫌っている。この法律の存在がラインハルトがルドルフを嫌っている大きな要因であった。

  • パウル・フォン・オーベルシュタイン
  • 自らが先天的に目が悪く義眼をしていることもあり、劣悪遺伝子排除法を定めたルドルフ大帝を憎んでいた。その憎しみはかなりのもので「ルドルフが作ったもの全てを破壊したい」とまで語っていた。

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