キルヒアイスが生きていたら

リップシュタット戦役終結直後に殺害されたキルヒアイスの存在をしのんで用いられた言葉。卓越した軍略の持ち主であり、かつその柔和な人柄によって内部の不和を解消していたキルヒアイスの死は帝国軍に大きな影響を与えることになった。

キルヒアイスの死

キルヒアイスを欠いた帝国軍(ローエングラム陣営)はその後も快進撃を続け、遂には全宇宙を掌握するに至った。しかしその途上のバーミリオン会戦ではラインハルトの艦隊が壊滅しかけ、宇宙統一後には重臣であるロイエンタールの反逆という憂き目に遭った。

ラグナロック作戦のクライマックスとなったバーミリオン会戦だったが、仮にキルヒアイスが生きていればラグナロック作戦自体ラインハルト自身が遠征軍を率いる必要が無かったため、ヤン・ウェンリーとしても「君主であるラインハルトを倒すことによって同盟軍の起死回生を計るという」作戦を立案することができなかった。

またロイエンタールの反逆もキルヒアイス殺害直後の出来事が遠因となっているため、キルヒアイスが生きていれば反逆は起こり得なかったと考えられる。もし別の出来事が原因となって反逆が発生したとしても、キルヒアイスが生きていればラインハルトを説得してロイエンタール討伐の艦隊を派遣させなかった可能性が高い。

同盟側

キルヒアイスの死を悲しんだ人物の多くは帝国軍の人間だったが、同盟においても彼の死を惜しむ人間はいた。ヤン・ウェンリーもそのうちの一人で、将来キルヒアイスに架け橋となってもらい、同盟と帝国の和解を進めたいと考えていた。

一度対面しただけだったがヤンはキルヒアイスの人間性を高く評価しており「味方の政治家よりもよほど好感が持てる」と周囲に語っていた。

ただしこれはヤンの一方的な思惑であり、仮にキルヒアイスが生きていたとしても、ラインハルトの宇宙征服を成就させることを最大の目標としているキルヒアイスがこの提案を受け入れるかどうかについては疑問が残る。

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