ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム

ゴールデンバウム王朝初代皇帝。作中における帝国の人間(特に帝国貴族)はルドルフ大帝と呼んでいる。それに対し銀河帝国を打倒しようとしている自由惑星同盟の人間はルドルフ、もしくはルドルフ・フォン・ゴールデンバウムと敬称を付けずに呼んでいる。

もともとは銀河連邦の軍人で海賊討伐において輝かしい実績を挙げていた。その後、少将まで昇進すると軍を退役し政界へと転身することになる。海賊退治などの武勲によって英雄視されていたルドルフは政治家として絶大な人気を誇り、やがて国家元首と銀河連邦首相の二つの要職を兼ねることで銀河連邦における独裁権を確立した。

当時の銀河連邦は民主共和制であったため、このような独裁的な権力集中を認めていなかったのだが大衆からの圧倒的な支持と、国家元首と銀河連邦首相を兼ねることを禁止する明文が無かった(不文律だった)ことがこのような暴挙を許す結果となってしまった。

独裁権を確立したルドルフはその数年後、銀河連邦(民主共和政)を廃止して新たに銀河帝国の設立を宣言し自らはその初代皇帝として即位した。ここに300年以上続いた銀河連邦は終わり、新たに銀河全体を支配する専制国家が誕生することになった。

ルドルフの存在と民主主義

銀河連邦においてルドルフが行った行為は本作における重要なテーマになっている。すなわち「民主主義国家において国民の過半数が専制主義国家へ移行することを望んだ場合どうなるのか?」という疑問だ。

これは同じく民主主義国家である自由惑星同盟にも当てはまる問題で、ジョアン・レベルはヤン・ウェンリーに対しそういった類の危機感を募らせていた。突き詰まるところ民主主義は多数決による政治決定であり、逆説的に言えば過半数の人間が多数決の政治を忌避した場合は政治体制の移行が実現してしまう。

作中においてはルドルフと銀河連邦の民衆がその体現者となっており、民主主義政治に存在する根本的な矛盾について考えさせられる問題となっている。

人物評

功に比して罪の大きい人物だったように思える。停滞の極みにあった銀河連邦においてルドルフの存在は時代に新しい風を吹き込むものだった。しかしルドルフが権力を握ってから行った政策は言論の自由を廃止したり、劣悪遺伝子排除法を制定したりとろくなものではなかった。

さらに自らが気に入った者を貴族階級に据えることで社会階級の固定化を促してしまった。階級の流動性が失われるということは社会機構全体を停滞させる大きな原因と言われており、これは歴史に新風を吹き込んだはずのルドルフが自らの存在意義をかき消してしまうような行為だった。

人物ステータス

ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム 人物ステータス

  • ● 白兵戦
  • 8点。帝国の公式記録では身長195センチ、体重99キロと表記されており、体脂肪率は極度に低かったとされている。これを信じるならば戦闘において理想的な体系をしていたことになる。

  • ● 統率力
  • 10点。作中で登場した人物のなかで宇宙征服を為し得たのはラインハルトとルドルフの二人だけだ。さらに言うならあれだけ無茶な政策をしながら、500年近く続くゴールデンバウム王朝の礎を築いたことを考えると、その統率力は尋常ではない。

  • ● 人望
  • 6点。皇帝となって悪政を敷くまでは大衆から圧倒的な支持を得ていた。しかしその後の暴虐ぶりによって後世に悪名を残すことになった。

  • ● 決断力
  • 10点。決断力無くして全宇宙の支配者に成り得るはずがない。常に積極的な行動を取ることで権力への階段を上って行った。

  • ● 分析力
  • 8点。宇宙の支配者となるべく緻密な計算を行っていたと考えられる。しかし劣悪遺伝子排除法を制定した直後に自身の息子が先天的な障害を持って生まれてくるなど、晩年には先見の明が失われつつあった様子。

  • ● 権謀術数
  • 8点。民衆の支持を背景に28歳で政界入りしその後わずか4年で銀河皇帝となっている。物凄い速度で政敵を撃破していったのだろう。

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